経営数字の話

トヨタ自動車が中国電通を取引停止にした理由とは

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こんにちは、きくちはらです。

このブログは、数字の苦手な経営者さんに話題のニュースを基に、会計的視点、マーケティング的視点、マネジメント的視点などから、あなたのビジネスのヒントになる情報をお届けしています。

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お母さんは倹約意識が高いのに、お父さんときたら…

ある国ではまとまったお金を手にするとその日のうちに浪費してしまう「ワンデイ・ミリオネア(1日だけのお金持ち)」と呼ばれることがよくあるそうです。それと比べると僕たち日本人は堅実ですね。特に家庭を預かる主婦の倹約ぶりには頭が下がります。同じ商品を買うなら1円でも安い所から買い、さらにクーポンやポイントカードも上手に活用していますね。

ところがです、ところがですよ、そうやってお母さんが1円、また1円と、家計をやりくりしてくれる一方で、お父さんは飲みに行ってパァーッとやっちゃうわけですよね(笑)お母さんにしてみればたまったもんじゃありません。「何パァーッとやっちゃってくれてるのよ!私の苦労がムダになったじゃない!」というわけで、お父さん来月からお小遣い減らされちゃったりね(笑)

企業取引でも似たようなことが

とまあこれは家庭内での出来事ですが、企業でも似たようなことが起こります。自社では常にコスト意識を持たせ、備品管理や節電にも努め少々暑くてもエアコンつけずに働いているのに、外注先がコスト意識が低く、請求書の明細を見たら不要なものにまでお金をかけてしまっている…。

自分の価値観を他人と共有するのが難しいように、会社が違うとコスト意識を共有するのも簡単ではありません。まして、その外注先が海外ともなるとなおさらです。

無駄を削って生産性を上げる「KAIZEN」文化でおなじみのトヨタ自動車にとって、中国企業のコスト意識の低さには我慢の限界を超えてしまったようです。

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トヨタ、販売などの固定費を大幅削減へ 新技術投資を加速=関係筋

同社経営陣には、業績が過去最高水準にありながら、それに見合った技術投資ができていないとの懸念がある。複数の関係者によると、豊田章男社長と小林耕士副社長・最高財務責任者(CFO)は広告・販売など世界全体の固定費を半減し、米テスラ(TSLA.O)、グーグル、中国テンセント(0700.HK)などと競う態勢を強化したい考えだ。

トヨタは2018年3月期に過去最高水準となる約2兆4000億円の営業利益を上げた。一方、同期に計上した自動車等の販売費および一般管理費は約2兆7200億円に上っており、経営陣が半減を目指す固定費はこの中に含まれている。

同社幹部の1人はロイターに対し「当社が過去最高の業績を上げているとしても、(技術開発の)投資額がそれに比例して拡大しているとは思っていない」と指摘、固定費の増大が圧迫要因になっていることを示唆した。

<北京電通に厳しい措置>

固定費削減の新たな動きとして、トヨタは中国におけるマーケティング関連事業を委託している電通(4324.T)の中国現地法人、北京電通広告との取引を一時停止する方針だ。

複数の関係者によると、トヨタの決定は北京電通に委託した少なくとも2つのイベントが直接の原因になっている。今年3月に行った中国・深センでの高級車ブランド「レクサス」の試乗会と4月の北京モーター・ショーの展示コーナーについて電通側からの請求額を精査したところ、過大請求ではないものの、看過できない無駄遣いが見つかったという。

トヨタ側は同試乗会について、特別に社長用に設置され、必要以上に作りこんだシャワールームを問題視し、北京のモーターショーでは電通側がデザインした展示スタンドを土壇場で変更するよう求めた。その結果を物語るように、同モーターショーのVIPルームには質素なパイプ椅子が並び、天井のない個室もあり、これまでなら会場に花を添えていた女性コンパニオンの姿は皆無だった。

「1度しか使わない展示施設になぜそれほどの金額をかける必要があるのか」と関係者の1人は語る。「トヨタが手綱を締めなければならないのは、こうした野放図な経費の使い方だ」。

トヨタは来年の事業からは北京電通を除外するほか、すでに今年の契約分も縮小し始めた。北京電通に発注している事業は年間100億円以下だが、北京電通は来年入札となる将来のプロジェクトにも応札できないため、トヨタによる取引一時停止の影響は数年間に及ぶ可能性がある。一方で、コスト意識に欠ける発注をしたトヨタ側にも責任があると指摘するトヨタ幹部も複数いる。

豊田社長、小林副社長ともロイターの質問には答えていない。北京電通の幹部も「顧客との取引について詳細は説明できない」(同社幹部)として、トヨタの動きについて明確なコメントを避けている。

電通は2016年9月、トヨタの指摘によりインターネット企業広告の不正取引が発覚、過大請求の対象企業に全額返済すると発表した。今回の中国現地法人への措置で、トヨタと電通の長期的な取引関係がさらに後退する懸念も出ている。

<「丸投げ」体質を是正>

トヨタが狙っているのは、事業を外部委託する際のいわゆる「丸投げ」体質の是正だと2人の関係者は話す。同社の販売、マーケティング、商品企画などの部門では、メディア向けのPR事業、モーター・ショー、宣伝イベント、市場動向などの関連調査の立案から実施まで、外部の業者にすべてを任せてしまう「丸投げ」が広く行われているという。

豊田社長と小林副社長には、こうした体質が非製造部門の効率化を阻んでいる大きな原因のひとつであり、その結果、さらに良いトヨタ車を実現できるはずの財務体力が削がれているとの懸念がある。

トヨタの各工場では、エンジニア達が部品や製造プロセスについて細かな経費に至るまで目を光らせる。部品を外注する際は、まず自社で生産してコスト構造を把握した上で契約をするという緻密な管理を続けている。

これに対して「マーケティング担当者達は、全体にしっかりコストが把握できていない。緩んでいる。自分で払うという意識も、払っているものに対しての相場感もない」と関係者の1人は話す。

豊田、小林両氏は販売やマーケティング部門にも製造現場と同様のコスト意識を徹底するとともに、外部に委託している仕事の一部を社内に戻し、経費管理を強化することも考えているという。

<シリコンバレーとの投資競争>

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トヨタが進める固定費見直しの背景には、未来の自動車技術開発を巡って激化するシリコンバレーとの投資競争がある。例えばグーグルの親会社、米アルファベット(GOOGL.O)は2009年から15年の間に自動運転技術の開発に11億ドルを投じた。

これに対し、トヨタ側の投資も活発化している。2016年1月に人工知能技術(AI)の研究・開発の拠点として、シリコンバレーに「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」を設立、2021年までにほぼ同額の資金を投入する計画だ。さらにトヨタは6月13日、東南アジアの配車サービス大手グラブとの関係を強化するため、10億ドル(約1100億円)を出資することなどを発表した。

白水徳彦 編集:北松克朗

引用元:https://jp.reuters.com/article/toyota-idJPKBN1JG3JL

固定費とは

固定費とは、売上の増減にかかわらず発生する一定額の費用のことです。 固定費に該当する具体的な費用には、

・人件費

・地代家賃

・水道光熱費

・接待交際費

・リース料

・広告宣伝費

・減価償却費などがあります。

今回トヨタは「広告宣伝費」の中の、中国電通が請求分が過剰請求もしくは見逃せない無駄遣いがあるとして取引の一時停止に踏み切りました。

固定費を削減すると利益はどうなるの

では、なぜトヨタはこれほどまでに固定費の見直しにこだわるのでしょうか。それは、固定費の改善が与える利益への影響が大きいからです。

仮にこんな数字の会社がったとしましょう。

 

この会社が広告宣伝費(固定費の一部)を見直し、その結果、固定費を10%改善できたとしましょう。すると、利益はこうなります。

 

売上は変わっていないのに、利益が20→28に増えました。140%です。固定費の改善は10%なのに、利益の改善は140%です。

それだけムダ遣いの削減には大きなインパクトがあります。コスト意識の高い企業なら、当然見逃せない数字なのがお分かりいただけたと思います。

あなたの会社の固定費は?

あなたの会社には固定費の無駄遣いはありませんか?

・人件費

・地代家賃

・水道光熱費

・接待交際費

・リース料

・広告宣伝費

・減価償却費など

売上を上げなくても、これらの無駄遣いを削減できれば、あなたの会社には予想を超える利益が残ります。一度ゆっくり時間を取って、固定費にムダがないかチェックしてみてはいかがでしょうか?ただし、(特に人件費のような)必要なのにムリに削減しようとするとブラック企業化したり、かえって利益を損ねることにもつながるので注意が必要です。

 

 

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