マーケティングの話

【今さら聞けない】「マーケティング」って何??

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こんにちは、きくちはらです。

このブログは、数字の苦手な経営者さんに話題のニュースを基に、会計的視点、マーケティング的視点、マネジメント的視点などから、あなたのビジネスのヒントになる情報をお届けしています。

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P・ドラッカーによるマーケティングの定義

経営者であるあなたは「マーケティング」という言葉を死ぬほど耳にしていると思います。では、そもそも「マーケティングの定義」は何だと思いますか?

実はマーケティングの定義は人によって違います。マーケティングの専門家であっても、その人や団体により定義の仕方が違うのです。さらにいうと、同じ人や団体でも、時代によってその定義を変更したりもしています。それくらいフワッとした概念なんですね。

一例をあげると…

●グロービスのMBA経営辞典

顧客満足を軸に『売れる仕組み』を考える活動

●三省堂大辞林

消費者の求めている商品・サービスを調査し,供給する商品や販売活動の方法などを決定することで,生産者から消費者への流通を円滑にする活動。

●フィリップ・コトラー

マーケティングとは、個人や集団が、製品および価値の創造と交換を通じて、そのニーズやウォンツを満たす社会的・管理的プロセスである。

●神田昌典

マーケティングとは、顧客をセールスマンの目の前に連れてくることだ

●アメリカ・マーケティング協会

マーケティングとは、顧客やクライアント、パートナー、さらには広く社会一般にとって価値のあるオファリングスを創造・伝達・提供・交換するための活動とそれに関わる組織・機関、および一連のプロセスのことを指す。

●日本マーケティング協会

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。

何となく共通のことを言わんとしているな、と思う部分もあれば、一体何を言ってるんだ、と思ってしまうものまでありますね(笑)僕が個人的に一番しっくりきているのは、P・ドラッカーによるマーケティングの定義です。

●P・ドラッカー

マーケティングとは、顧客を知り、商品を顧客にフィットさせ、売込みを不要にすることだ

マーケターはお医者さん

P・ドラッカーのマーケティングの定義は、お医者さんを例に考えるとわかりやすくなります。

顧客を知り

患者さんを診察し

商品を顧客にフィットさせ

患者さんの症状に合った薬を処方し

売込みを不要にすることだ

「お薬出しておきますね~」の一言で簡単に売れてしまうこと。

簡単に説明するとこんな感じですが、実はかなり奥が深い話です。

お医者さんは、この薬がいかに良い薬であるかをプレゼンするでもなく、「医学雑誌に掲載されました」とアピールするでもなく、「人気の風邪薬ランキング」POPをつくるでもなく、「この薬を飲んだ患者さんの感想」を掲示するでもなく、芸能人をイメージキャラクターにするのでもなく、値引き交渉をされることもなければ、あっちのお医者さんと比較したいから「とりあえず見積りを」と言われることもありません。たった一言「お薬出しておきますね~」だけで売込まずに売れているのです。

なぜか?

それはお客さんの悩みや欲求を知り、それを満たす商品を提案しているからです。加えて言うと、「お医者さん」というブランドがお客さんから信頼されているからです。

実例:顧客にフィットしたバス会社

埼玉県富士見市に本社を置く「平成エンタープライズ」は、高速バスを運行するバス会社ですが、「顧客を知り、商品を顧客にフィットさせる」ことにより、価格ではなく価値で選ばれるバス会社になりました。その紹介記事がこちらです

↓↓↓

“指名買い”される高速バス会社の、仕掛けが面白い

5/23(水) 8:21配信

ITmedia ビジネスオンライン

 高速バスを利用したことがある人に聞きたい。どこの会社を利用しましたか? と。

「うーん、どこだったかな」と覚えていない人もいるだろうし、「楽天バス!」と答えた人もいるだろう。ちなみに「楽天バス」という会社は存在しない。「楽天トラベル」を通じて予約したので、「楽天バスに乗った」と勘違いしているのかもしれない。

バスの車内はどうなっている? 革張りシートで、座席は7列

「覚えていない人や、勘違いした人をバカにしやがって」といった言葉が飛んできそうだが、そーいう意味で質問したわけではない。覚えていない、勘違いしていて当たり前なのである。一般の消費者に、高速バスを利用した際のポイントを聞いたところ「価格」が最も多く、次に「利便性」「所要時間」と続き、4番目に「バス会社」である(消費者庁調べ)。

高速バスを利用する際、「会社名」を重視する人が少ないなかで、“指名買い”されて売り上げを伸ばしている会社がある。埼玉県富士見市に本社を置く「平成エンタープライズ」だ。台湾人観光客の輸送からスタートして、10年ほど前に高速バス事業に参入。利用者数を見ると、2013年度は39万人だったが、その後数万人ずつ増えていって、17年度は48万人に。17年3月期の売上高(連結)は70億円だったが、18年3月期は84億円を見込んでいる。

高速バスに乗る際、「どこの会社でもいいや。気にしないよ」という人が多いなかで、なぜ平成エンタープライズは選ばれるのか。きっと何らかの仕掛けがあるに違いない。その謎を解くために、同社の田倉貴弥社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

●お客さんが当社のサイトで申し込んでいるから

土肥: 平成エンタープライズは1992年に創業して、当時は訪日外国人を扱う観光バス事業からスタートしているんですよね。その後、2007年に「VIPライナー」のブランド名で高速バス事業に参入しました。

日本で高速バスを利用している人はどのくらいいるのか。気になって調べたところ、年間1億1000万人ほどいるそうで。ここ数年は横ばいが続いているので、平成エンタープライズの業績も伸び悩んでいるのかなあと思いきや、伸びている。その要因は“指名買い”されているからそうで。

高速バスに乗る際、「どの会社のバスに乗ろうかなあ」と考える人は少ないですよね。アンケート結果を見ても、「価格」を重視している人が多いのに、なぜ利用者は「平成エンタープライズのバスに乗りたい」と思うのでしょうか?

田倉: 答えを申し上げます。「お客さんが当社のサイトで申し込んでいるから」なんですよね。

土肥: ちょ、ちょっと待ってください。ワタシも高速バスを利用したことがありまして、チケットはネット上で申し込みました。いまの時代、窓口で購入するよりもネットで申し込む人のほうが多いかもしれませんが、だからといって指名買いが多い理由は「お客さんが当社のサイトで申し込んでいるから」って、ちんぷんかんぷんです。

田倉: 高速バスのチケットを購入する際、「どこが安いかな?」と比較サイトなどを見るケースが多いと思うのですが、なぜ当社のサイトでわざわざ買う人がいるのか。その理由を説明しますね。

2009年、当社は女性専用車を導入しました。鉄道ではすでに朝夕の通勤時間帯に女性専用車両を設けるのは当たり前になっていましたが、高速バスで導入しているところはなかったんですよね。

バスは3列独立シートを採用していたのですが、女性からは「男性の目が気になって眠れない」「オジサンの臭いが気になる」といった声がたくさんありました。カーテンを付けてみたものの、「男性と同じ空間にいるだけで安心できない」といった意見がありました。であればいっそのこと、女性専用車を走らせてみてはどうかと考えました。

ただ、3列独立シートのバスはコストが高くつくので、社内から「本当に採算がとれるのか?」といった疑問の声がありました。当時、高速バス利用者の60%は女性と言われていたのですが、3列独立シートのバスでは30%ほど。その30%が女性専用車に乗ってもらえれば、損益分岐点を超える。

●女性客が高速バスに乗る理由

土肥: 失礼な話、たらればの話ですよね。社内から不安の声は消えなかったのでは?

田倉: はい。不安の声がたくさんありました。「土・日曜日は大丈夫だと思うけれど、平日も乗ってくれるのか」「世の中の半分は男性なのに、その半分を切り捨てていいのか」と。ちょっと導入は難しいかなと思ったのですが、バスのコンセプトを考えてみました。「お姫さまになれるバス」がいいのではと考え、車内をエレガントな雰囲気にしました。また各座席に、ブランケット、スリッパ、ミニ枕、ウェットティッシュなどを用意したところ、すぐに人気が出て乗車率は90%ほどになりました。

土肥: 女性客の間で不満があった。それを解消するために、業界初の女性専用車を導入したところ、乗車する人が多かった。それはよーく分かったのですが、冒頭の質問とどうつながるのでしょうか? 指名買いが多い理由はよく分かりません。

田倉: もう少しお待ちください。ある日、「高速バスって印象が悪いよね」といった話になりました。なぜそのような印象をもたれているのか。いろいろな人と話をしたところ「夜にバス停で女性が立っている」などが挙げられました。当時、停留所がなかったので、バスは“だいたいこのへんで”といった感じで停まっていました。バス停の場所がきっちり決まっていなかったので、迷われるお客さんがたくさんいました。

そうした女性を見て、このように感じた人もいたでしょう。「1人で待っていると、トイレも行けないよね。かわいそう」「新幹線にも乗れない人なのね。かわいそう」と。そこで考えました。女性はなぜ高速バスを利用するのかと。調査したところ「就職活動をするために」「結婚式に参加するために」「ディズニーランドへ行くために」といった人が多いことが分かってきました。

高速バスに乗って、目的地に着く。そこで、女性は何をするのか。近くにあるトイレで、化粧直しをする人が多かったんですよね。バッグを持って、トイレの中に入っていく。ということは、いろいろな人にご迷惑をかけていることになる。女性だけでなく、トイレを所有している事業者さんたちにも。もちろん、バス停がなくて困ったのは女性だけではなく、男性もドライバーも同じ。

土肥: ドライバーも困る? どういうことですか?

●新宿にラウンジを設置

田倉: 集合場所を指定していたものの、同じ場所、同じ時間に多くのバスが重なってしまうことがありました。他社のバスに先を越されてなかなか停めることができず、周辺をグルグル回って出発時間が遅れることも。これ以上、さまざまな人にご迷惑をかけてはいけない。このままではいけないということで、台湾の高速バスを参考にしました。そのバス会社は、どこにバスを停めていたのか。商業施設の1階にバス停を設けていたんですよね。暑くても寒くても雨が降っていても、お客さんは室内で待つことができる。当然、トイレもある。

日本でも同じような施設をつくればいいのでは。と考え、JR新宿駅西口から徒歩3分のところに、高速バスの乗客が利用できるラウンジを設けました。住所があるので、お客さんも迷いにくい。空調を完備した室内には、テレビ、PC、ドリンクバーなどがあるので、お客さんは出発時間になるまでそこでゆっくりすることができます。

土肥: 夜、バス停の前で客を待たせなくてもよくなった。ということは、以前よりもスムーズに乗り降りができるようになったのではないでしょうか?

田倉: はい。新宿のラウンジは約35坪あるのですが、そのうちの4分の1をパウダールームにしました。先ほども申し上げたとおり、バスを降りた女性は、化粧をするところがなくて困っていました。席はどのくらい必要なのかといった話になったとき、設計を担当していた人は「2~3席あれば、十分なのでは?」と言っていました。ただ、バスを降りた多くの女性が、トイレに駆け込んでいたので、「それでは足りません。もっと増やしてください」と言って、19席つくりました。

パウダールームには大きな鏡にドライヤー、ヘアアイロンのほかに、洗顔フォーム、化粧水、乳液などを用意しました。で、利用者はどのくらいいたのか。口コミなどですぐに広まって、日曜日の朝などはすぐに満席に。就職活動が目的の女性は、フィッティングルームでスーツに着替えて、メイクをして、くつを履き替える。そして、面接の場所に向かう。

●低価格で勝負はしない

土肥: 実際に部屋を見せてもらったところ、平日の15時ごろにもかかわず、多くの人がバスを待っていました。テレビを見たり、PCを使って仕事をしていたり、本を読んでいたり。主要の停留所にこうした施設をつくっているので、客は「便利だなあ」と感じると思うのですが、コストは高くつきますよね。

田倉: 問題ございません。高速バスだけで勝負しているように感じられたかもしれませんが、実はいろんなサービスの複合で勝負しているんです。例えば、ラウンジの隣に、宿泊施設をつくりました。バスと宿泊施設を別々に予約するのは「面倒だなあ」と感じる人が多いと思うので、バスとセットで予約できるようにしました。それでもラウンジのコストは高いので、競合他社が同じようなことをしても採算を取るのは難しいかもしれません。

土肥: 徐々に核心に迫ってきているような。どうやって採算をとっているのでしょうか?

田倉: 高速バスのチケットは、ネットで買う人が多い。ということもあって他社はネット上に広告費をたくさん投入していますが、当社は少しだけ。広告費をあまりかけないで、どのようにしてお客さんを集めているのかと思われたかもしれませんが、たくさんの人に当社のサイトに来てもらっているのです。

土肥: ちょっと待ってください。高速バスを選ぶ際、「会社名」で選ぶ人は少ない、というデータがあるんです。「料金」で選ぶ人が多いということは……あっ、低価格で勝負しているとか?

田倉: 高速バスの比較サイトを見てください。A社は「東京―大阪間:1600円」で発売していますよね。当社もPRの一環で低価格のチケットを販売することはありますが、それ以外はしません。低価格で勝負するのではなくて、高価格で勝負する。そのために、何をすればいいのか。お客さんが「予約をしたくなる」仕組みをつくらなければいけません。

先ほどご紹介した女性専用車。運行開始から1カ月後、当社のサイトから予約した人のみ「キティちゃん×VIPライナー」のオリジナルストラップをプレゼントするキャンペーンを実施しました。アクセス数は伸びて、期間中の乗車率は96%でした。あと2~3カ月に1度のペースで、当社のサイト上でコンサートなどのチケットをプレゼントしているんです。

●高速バスとコンサートチケットの関係

土肥: どれどれ。(ネットを見て)失礼な話になりますが、年配の芸能人が多いような。年配の人が悪いという話ではなくて、高速バスを利用するのは若い人が多いので「行きたい、行きたい」「チケットを申し込もう」と思う人は少ないのでは。いや、そもそも高速バスとコンサートって何の関係があるのでしょうか?

田倉: ご指摘のとおり、高速バスの利用者は20~30代が多い。それなのに、なぜ若い人があまり興味を示しそうもない芸能人のチケットをプレゼントしているのか。「ギャラの安い人を起用しているのでは?」と聞かれるのですが、違う。むしろ、高い。「社長の趣味で選んでいるんでしょ」と聞かれるのですが、違う。遊びではなく、仕事のため。

高速バスのサイトって、用事がなければ見ませんよね。ほとんどの人は、チケットを予約するときくらい。でも、当社としては、できれば年中見てもらいたい。年中見てもらえるようにするにはどうすればいいのか。特典を用意していれば、「今日は何かあるかな」と訪問してくれるかもしれません。

土肥: 頻繁に訪問してもらえれば、自社サイトでチケットを購入することにつながるかもしれない。それは分かるのですが、なぜ年配の芸能人なのでしょうか? 20~30代がターゲットなので、嵐とかEXILEのほうがいいのでは?

田倉: 高速バスってイメージがあまりよくないですよね。特に、事故を起こしたときには、大きく報道される。そうした報道を見たときに、親はどのように感じるでしょうか。子どもが「高速バスに乗って東京に行く」と聞いたら、反対するはず。「自分がお金を出すので、新幹線か飛行機に乗ってちょーだい」となる。そうなると、売り上げが減少してしまう。

年配の芸能人が登場するコンサートチケットが当たる! と見ても、20~30代の人は興味を示さないかもしれません。しかし、親にオススメするかもしれません。「○○さんのチケットが当たるかもしれないけれど、どうする?」と。実際、チケットを申し込むのは若い人が多いのですが、会場に来るのは年配の人が多い。そして、会場に来て当社の社名に触れると、信用度が少し向上するかもしれません。

土肥: 信用度を数字に落とし込むのは難しいかもしれませんが、チケットの単価や乗車率に変化は出ているのでしょうか?

●あの手この手で自社サイトに誘導した結果

田倉: 2017年度のチケットの平均単価を見ると、4%(200円強)上がりました。自社サイトでの購入割合をみると、他社は2割ほどなのですが、当社は82~87%です。

土肥: 話をまとめますね。高速バス事業をスタートしたものの、女性客から「男性と同じバスに乗りたくない」といった不満の声があった。であれば女性専用車をつくって、「また乗りたい」と思わせるようにした。

当時、バス停がなかったので、主要の停留所にラウンジを設置した。そこにパウダールームをつくったところ、多くの女性が利用することに。女性に「また乗りたい」と感じてもらうように、ハード面を充実させたわけですね。

でもラウンジのコストは高くつく。そこでどーしたかというと、広告費に着目した。比較サイトなどではなく、自社サイトで買いたくなる仕組みをつくれば、利益率が高くなる。それだけでなく、「平成エンタープライズのバスに乗りたい」というファンを増やせば、客単価もアップする。あの手この手で自社サイトに誘導したところ、全体の9割がそこで購入して、客単価もアップした。結果、売り上げが伸びているということですね。

本日はありがとうございました。

(終わり)

引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180523-00000023-zdn_mkt-bus_all

あなたの商品を顧客にフィットさせるには?

あなたの商品を顧客にフィットさせるには、まず顧客を知る必要がありますね。アンケートでもいいですし、何気ない会話からでもいいです、お客さんが

・何をきっかけにうちへ来たのか?

・どこと比較したのか?

・よそでなくうちを選んだのはなぜか?

・何が決め手となってうちを選んだのか?

・次に何を欲しがっているのか?

これらを明らかにして下さい。最低でも30件は欲しいですね。

その中に必ず似たような多数意見があるはずです。後はその多数意見に合わせた商品やサービスをリリースしてください。これで商品が顧客にフィットするはずです。要は後出しじゃんけんです。

注意してほしいのは、必ず優良顧客に聞くこと。優良顧客ににフィットさせれば、今後も似たような属性の顧客が集まるからです。くれぐれも「価格で選ぶ顧客」にだけはフィットさせないようにしてくださいね。とんでもない価格競争に巻き込まれちゃいますよ(笑)

 

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