マーケティングの話

個人店がAmazonに勝つ方法

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こんにちは、きくちはらです。

このブログは、数字の苦手な経営者さんに話題のニュースを基に、会計的視点、マーケティング的視点、マネジメント的視点などから、あなたのビジネスのヒントになる情報をお届けしています。

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ネット通販でも買えるのに…

あなたも日頃はAmazonや楽天などのネット通販を利用していることと思います。ひと昔前はネット通販に向いてるもの・向いていないものの線引きがありましたけど、最近では本当に何でも購入できて便利ですよね。

そんな中でも、あなたが今でもリアル店舗で購入しているものはないですか?きっとあると思います。ネットでも買えるのに、なんでリアル店舗で買っているのか?その理由をちょっと思い出してみてほしいのです。

普通の人を、スゴい人にする「スゴ人」代表の秋元沙織さんは、元々はAmazonで購入していたそうですが、こんな理由で個人店に切り替えたそうです。

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なぜ、老舗米屋は大正時代から顧客に支持されているのか

私がAmazonから個店に乗り換えた理由

2018年7月4日

スゴ人 代表 秋元 沙織

わが家の米所は、大正15年創業の老舗米屋・森田屋米店です。実はそれ以前はAmazonで購入していたのですが、この有限会社の商品と姿勢に魅力を感じ、乗り換えました。

リアル店舗は現在の住まいからは遠いのですが、もう3年ほどお世話になっています。「老舗だから」という理由は、半分当たっていますがそれだけではありません。

何と近所ならAmazonより早く届く!

森田屋米店の商品(筆者私物)。紙袋で配達されるのは、米店ならではの味わいがあります

この店には「ご近所無料配達」というサービスがあります。配達可能エリア内なら5kg以上の購入で送料無料で配達してくれるのです。

初回注文時に私が住所を伝えると、「それなら、無料でお届けに上がれますよ」と言って、店の方が自宅まで配達しに来てくれました。

これはお客さまにとってもメリットですが、店側もその日に現金を受け取れるというメリットがあります。クレジットカード決済や代金引換・銀行振込が希望ならばネット通販での購入も可能、リアル店舗なら電子マネー対応もしているので、消費者側に複数の購入選択肢を提供しています。

配達時間は店の混雑状況にもよりますが、当時は早ければ数時間、遅くとも当日中に配達してくれました。何より、Amazonでのワンクリック注文より個店の方が配達が早いというのは衝撃でした。「地域」というのは、巨大流通ネットワークに勝る可能性があるのだと感じます。

専門店ならではの「目利き力」の強み

精米日は発送メールと同日。この時は6月21日の夜に注文し、翌日の6月22日に精米してもらっています

それまで私は無類の米好きだったのでおいしいお米を食べるために、頑張って冬でも冷たい水で米をといでいました。しかし出産を機に時短に目覚め、次第に米をとぐより寝たいと思うようになりました。

とはいえ、おいしいお米は食べたいので、いつも比較的高めの無洗米を購入していました。森田屋米店ではお米代金にほんの少しプラス料金を払えば、どのお米でも無洗米に加工してもらうことができます。

さらに、米店という専門性を生かして精米は注文後となっています。当日精米は、お米を一番おいしく食べる秘訣なのではないかと思いました。初めて米袋を開けたときはその精米したての匂いに驚き、炊きたてご飯を口にして「お米ってこんなにおいしいんだ!」と驚かされました。

お米も地域やブランドで選べる他、味を試したい人向けの「食べ比べセット」など、多彩な選択肢があって楽しめるようになっています。赤ちゃんの一歳の誕生日を祝う名入りの一升餅や地酒、季節イベントに応じた関連商品も購入できるため、通常の米店より客単価も高いのではないかと感じさせられます。

中でも、「東京都八王子東の都米ギフトセット」という商品は、日本ギフト大賞2017の都道府県賞・東京都代表に入選しています。

購入場所によって変わる値段

また、購入場所によって値段が変わるのも興味深い点です。まずリアル店舗までわざわざ買いに来てくれる顧客には「お持ち帰り特売日」やアプリでの特典を設けており、基本的には一番安く購入が可能です。

過去の私のように対象エリアに住んでいる人なら、送料無料での配達の恩恵が受けられます。そしてネット通販は、送料込みの販売価格ですが一番割高となっています。

近所に住んでいたころは配達と一緒に試飲や野菜販売イベントの案内のチラシも受け取っており、自然とリアル店舗での購入を促す仕組みづくりも上手だなあと感じていました。

生産者や地域の人とのつながりを大切に市場を創る

このようにリアル店舗もネット通販も専用アプリも対応している森田屋米店ですが、人とのつながりを大切に考えているから愛されているのだと思います。

同店店主はプロとして責任感を持ち、生産者がどんな人物なのか、どんな育て方をしているのかを知った上で商品を販売していると、HP上で明記しています。

小売業として、商品にこだわっている店はたくさんあります。でも、プロとしての「目利き力」で自信を持って販売できている店はどれくらいあるでしょうか。また、伝えられる覚悟のある店がどれだけあるでしょうか。

同店は定期的に、生産者の農家と消費者をつなぐ田植えや稲刈りのツアーも募集しています。他にも、同店が子供の職業体験で米袋へのシール貼りを担当させている記事も目にしたことがあります。こうした取り組みは時間と手間が掛かる、与えられる適当な仕事がないなどの理由でやらない企業も多いでしょう。

配達時に毎回入れてくれるおいしく食べるためのお米の保存方法は、プロだから知っている情報がぎっしり

普段の営業もありながら片手間ではできないはずですが、実は未来のお客さまを呼ぶ種まきになっているのではないかなと思います。お米がどう生産されているかなど、消費者が目にする機会は意図的に作らなければなかなかありません。

直接の作業工程に関わるのは難しくても、実際に体験の場所を提供することで「ねえ、今日こんなことをしたよ!」「こんなお店が〇〇町にあるんだって!」と話題になれば、子供の親や自分たちではリーチできない誰かの耳に入ります。

広告を打たなくても、自店の存在を知らせることはできるのです。

ましてや今日の日本では食卓に米以外の主食が並ぶ日も多いです。パスタやうどん・そばなどの麺類、ピザやハンバーガーなどのジャンクフード、朝食は手軽に食べられる食パン1枚という家庭も多いでしょう。

米を身近に感じさせて自分たちの主力商品である「米」を守る、コメ市場を農家と協力しながら自分たちで創るという姿勢に、私はすっかりお店のファンになってしまいました。

一意見が、高価格帯ヒット商品を生む

そんなわけで私は引っ越し後の現在でも同じお米を購入し続けているのですが、実は当初、ネット通販HPには今まで買っていた銘柄の無洗米がありませんでした。恐らく無洗米加工は手間と時間が掛かるため、店頭でのオプションサービスだったのだと思います。

引っ越し後の初注文時、電話でその旨を相談すると「あぁ、購入ボタンを作れば買えるけど今すぐにはちょっとできかねます」と答えてくださりました。

販売できるニュアンスは感じられたので、図々しいなと思いつつも別のお米を頼んだ注文時にダメ元で「お忙しい中難しいとは思いますが、できればうれしいです」とコメント欄に書き添えると、何とすぐに希望銘柄の無洗米の購入ボタンを作ってくださりました。

そして現在、何とその銘柄は単品としては高価格帯ながら常に販売ランキング上位に入る売れ筋商品となっています。「高くてもおいしいお米が食べたい」「でもお米をとぐのは面倒くさい」「できれば農薬が少なかったらラッキー」という消費者ニーズは、他にもあったのです。余談ですが、私自身もお店に貢献できたようで何だかうれしくなってしまいました。

販売者が商品に思い入れがあればあるほど、こうしたニーズに気付くことは困難です。この場合、米店にとって「米をとぐ」という行為は当たり前のことです。私のようなズボラで面倒くさい消費者がいるとは思わない、むしろあまり考えたくないことかもしれません。

でもそこに、売上げの見込める見えない潜在顧客が隠れているとしたらどうでしょう?

前述したように、私の買っていた米は他のラインアップと比べて高額な部類に入っていました。けれど「高価でも、簡単に炊けて完全無農薬でおいしいお米」が欲しい人は、他にもたくさんいたのです。

もちろん全てのお客さまのワガママを聞く必要はありません。ただし、私はリクエストするまで一年以上継続的にお米を買っていました。こうした顧客の要望を信じ、見極めて対応することは新しい商機を生み出すきっかけにもなるのではないでしょうか。

まだまだ工夫できる余地は残されている

購買の先にいるのは、「人」です。ロボットが買物をしているのではありません。人間には感情があるので、消費行動には必ず合理的な理由があります。

インターネットは流通のスピードを大きく変えました。近年のスピードは速過ぎて、中にはついていけない人もいるでしょう。でも昔からある企業は、こだわって守り抜くものを決めています。その上で、それ以外の部分をそのときどきの状況に合わせて少しずつ変えてきた結果、今日でも営業できています。

第10回コラム「インターネット時代でも生き残るリアル店舗の条件」の6でも書いたように、「常に考え、稼ぎ続ける店」は長く続けることができるのです。

楽しいから、便利だから、お得だから―――お客さまの直接ニーズや隠された複雑なニーズを察して施策を打つことは、今後も流通・小売業に求められていくでしょう。人間が生活する限り、決してなくなる分野ではないのですから。

引用元:http://shogyokai.jp/articles/-/883

ネット通販ではカバーできない何か

記事の中では個人店ならではの良さを

・専門店の目利き力

・無洗米などのオプションサービス

・ご近所ならAmazonより早く届けてくれる

・注文後の精米

・要望にも素早く対応

などがありました。

これらはどれもAmazonにはできないサービスです。Amazonはお米以外にも無数の商品を取り扱っているため、一つのカテゴリーに対しての専門性やできることに限界があります。

勝てる土俵で勝負しろ

Amazonには勝てない。食品というカテゴリーでも勝てないでしょう。お米というカテゴリーでもどうかな?でも、お米というカテゴリー×〇〇町ならば勝てるのではないでしょうか。

〇〇町ではAmazonより売れてるお米屋

この勲章だけで、あなたのお店が潤うには十分なのではないでしょうか?

今は大手となったドンキホーテもニトリも、元々は小さな市場の小さな店舗から始まっています。小さな市場を順番に制覇して今に至っています。

Amazonで買わずにあなたのお店で買う人に聞いてみるといいですね。

なぜネットではなくウチで買ってくれてるんですか?

その答えがあなたの店の強みです。その強みを磨きまくって尖がらせて

〇〇町ではAmazonより売れてる〇〇屋

を作ってください。

 

 

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