個人的な話

【遂に登場】需要と供給を調整しながら廃棄ロスも防ぐ新技術

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こんにちは、きくちはらです。

このブログは、数字の苦手な経営者さんに話題のニュースを基に、会計的視点、マーケティング的視点、マネジメント的視点などから、あなたのビジネスのヒントになる情報をお届けしています。

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車220万台分がムダに!?

「特定非営利活動(NPO)法人全国もったいない市場http://www.mottainai-ichiba.org/」によれば、「本来食べられるのに廃棄される食品」いわゆる「食品ロス(フードロス)」は、日本国内で632万トンあると言われています。そのうち一般家庭での食品ロスが302万トン、食品業界での食品ロスが330万トンと推計されています。食品業界での廃棄量は、自動車(約1.5トン)で例えたら220万台分、ジャンボジェット機(約150トン)なら2.2万台分に相当する重量です。このことから、日本ではまだ食べられるにもかかわらず、かなりの量の食品がゴミ箱行になっていることが分かります。

これだけ多くの食品ロスがが出ている理由は、僕たち日本人(消費者も業者も)が世界と比べて食品に対して非常に厳しい傾向にあるということがいえるでしょう。それを象徴する商慣行の一つに「3分の1ルール」というものがあります。

「3分の1ルール」とは、下図のように賞味期限の3分の1以内であれば出荷可能、3分の2以内であれば店頭販売可能とする暗黙のルールです。このルールにより、3分の2を過ぎた商品は、メーカーへ返品されるか、割引きで販売されるか、廃棄されることになります。

20130827_賞味期限3分の1ルールによる期限設定

 

出典:https://www.foods-ch.com/shokuhin/1398434108602/

「新鮮」か?「もったいない」か?

「まだ食べられるのに、捨ててしまうなんてもったいない」という意見がある反面、新鮮なものを買いたいという意見もあります。なので「新鮮」をウリにしている販売店では「賞味期限ぎりぎり」の食品を販売することは評判を落とす要因にもなります。さらに飲食店の場合は、万が一にも食中毒のような事件を引き起こそうものなら、即廃業のリスクと背中合わせなので、さらに慎重にならざるを得ません。

「新鮮」か、「もったいない」か、あなたはどちらを優先すべきだと思いますか?

イスラエルとニューヨークに拠点を置くWastelessが、この問題を解決するかもしれない新しい技術を開発しました。その紹介記事がコチラ

↓↓↓

食料廃棄をなくす。消費期限に応じて価格をリアルタイムに変えるAIテクノロジー

世界では、毎年生産された食料の約3分の1が捨てられている。アメリカのスーパーマーケットでは期限切れの食料を廃棄することで1店舗につき1日平均2300米ドルを無駄にしている。これは年間で見れば食品業界全体で570億米ドルもの損失だ。

一方で、リアルタイムで在庫を管理する能力に欠けるスーパーマーケットは品切れ商品や空の棚、逆に過剰在庫のために470億米ドルも無駄にしており、「食料廃棄」と「在庫管理の非効率性」は小売業界が抱える大きな二つの課題となっている。

この問題を同時に解決するべく、イスラエルとニューヨークに拠点を置くWastelessが開発したのが、消費期限によってスーパーの食料品価格をリアルタイムで更新するテクノロジーだ。消費者、小売業者、そして地球環境の三者がwin-win-winとなる非常に魅力的な仕組みとなっている。

Wastelessは、食料品店がインターネットと機械学習技術を活用し、商品の消費期限に合わせてリアルタイムで値段を変えられる世界初のトラッキングシステムを開発した。各々の商品に独自のIDコードをつけるため、消費期限やバッチID、位置のような商品情報を絶えず追跡し、品物毎につけられたRFIDと呼ばれる高度で動的なICタグと電子棚札に反映する。価格を計算する際には、動的な価格エンジンによって需要、供給、位置、休日、時間といった43もの要素が考慮される。消費者は、期限が2〜3週間の商品を通常価格で、または1〜3日の商品をより手頃な価格で購入するかを選ぶことができる。

Image via Wasteless Press Kit

この仕組みにより、スーパーマーケットはより多くの品物を売り、無駄を少なくできる。Wastelessは商品の在庫を継続的に監視し、もし商品が売れずに棚に長期間置かれた状態であれば、自動的に値下げをしてくれる。逆に在庫が手薄になると店側は通知を受けられるため、よく売れる商品の在庫切れを防ぐことができる。食料廃棄ロスの削減と同時に品切れといった機会損失も未然に防ぎ、売上向上とコスト削減を同時に実現する機会を作り出しているのだ。

Wastelessの創業者で最高執行責任者であるBiron氏は次のように述べている。「動的な価格設定は、航空券やホテルの予約にも日々使われ、食品業界がそれと異なる理由なんてない。消費者にとっては価格が安くなり、スーパーマーケット側はさらに収益を増やすことができ、すべての関係者にとって素晴らしいことだ。もちろん、世界の食料廃棄全体の40%を占める小売業界で、食料廃棄をかなり減らし我々の地球を守ることにもなる。」

この世に無駄な食料はないのだが、現代これだけ食料廃棄が多いのは、本来必要なところに行き渡っていないだけである。Wastelessのテクノロジーで、効率の良い食料分配が実現されれば、人間も環境もよりハッピーになるだろう。

【参照サイト】Wasteless
【参照サイト】国連食糧農業機関(FAO)
(※画像提供:Wasteless Press Kit

「RFID」はバーコードにとってかわれるか?

この技術を支えるキモが、「RFID」と呼ばれる高度で動的なICタグです。バーコードの進化版とイメージすれば分かりやすいのではないでしょうか。日本でも一部の店舗や倉庫では導入が進んでいるようです。

バーコードの場合は、商品1個1個に付いているバーコードをスキャンすると「ピッ」と反応しますが、「RFID」の場合は、大雑把にスキャンすると、そのエリアにあるタグすべてが反応します。なので、商品を1個1個「ピッ」とやる必要はなくて、棚に向けて「ピッ」とやるだけでその棚にあるすべての商品が反応するのです。これがあれば棚卸作業も今までよりも早く、少ない人手で完了しちゃいます。夢のようですね。

問題は導入コストです。こういったサービスは普及すればするほど低コストになりますが、日本ではまだまだ普及が進んでいません。廃棄ロスによるコストより、RFID導入のコストの方が低くなれば一気に普及していくのではないでしょうか。

大手食品小売企業さん、ぜひ導入して

日本人は食品の安全に非常に厳しい。もちろん大事なんだけど、消費者が厳しいから、食品小売店も厳しくなる。食品小売店が厳しくなれば、小売店に卸す問屋さんも厳しくなって、最後のしわ寄せはメーカーさんにいく。賞味期限はまだあるのに、3分の1ルールによって店頭におけないから仕方なく廃棄する。きっと消費者の中には、「今日食べるから大丈夫だよ」って人もいるんだろうけど、そういう人に買ってもらう仕組みがない。メーカーさんによっては「工場直売店」でワケあり商品として販売するところもあるんだろうけど、それでも日本全体の食品廃棄ロスは多すぎる。

Wastelessのような仕組みが日本でも導入されれば、需要と供給の調整と、廃棄ロスの削減が同時にできる。まずは大手の小売店さん、導入してくれないかなぁ。普及していけば導入コストも下がって、中小の小売店でも導入できるようになるのになぁ。

 

 

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