こんにちは、きくちはらです。
このブログは、数字の苦手な経営者さんに話題のニュースを基に、会計的視点、マーケティング的視点、マネジメント的視点などから、あなたのビジネスのヒントになる情報をお届けしています。
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あなたの顧客は若年層?それとも高年者層?
あなたの顧客ターゲットが若年層だった場合、FAXDM広告を打っても反応は得られないでしょう。なぜなら、若年層とくに一人暮らしだとFAX機はおろか固定電話さえも置いていない家が多いからです。つまり、ターゲットである若年層に何か広告を見てもらおうと思った時、広告の出来が良いとか悪いとかの前に、「FAXという手段」ではまず見てもらえないということです。同様に、スマホを持っていない高齢者層に対し、「スマホ向け広告という手段」で広告を打っても見てもらえることさえできません。
仮に伝達手段が正しく、見てもらえることができたとしても使っている言葉や、提案内容が刺さらなければこれまた反応は得られません。若年層向けの広告キャッチコピーが、「集え若人(つどえわこうど)」だったら、まず正しく読むことができないでしょう(笑)同様に、高齢者向け広告のキャッチコピーが「この〇〇マジ卍」だったら…、高齢者には全く意味が通じません。
これらは極端な例なのであなたは「そりゃ、当たり前だろ」と思うかもしれません。しかし現実では、ターゲットに対する伝達手段やメッセージのミスマッチはあらゆるところで起きていますし、あらゆる広告主が犯しがちな誤りです。それは、
「相手が何を知りたいのか?」
よりも、
「自分が何を言いたいのか?」
で考えてしまうからです。
ミスマッチを解消し過去最多の集客を記録した二条城
同じ言葉を使う日本人同士でも頻繁にミスマッチが起きているわけですから、外国人相手ならなおさらです。あなたも日本人向けの広告や看板で、おかしなやつを目にしたことはありませんか?
なんか楽しいですね。でも、向こうは真剣です。こういった表記が、正しい日本語で、なおかつわれわれ日本人が知りたいと思っていることが表示されていれば、こんなに嬉しい事はないですよね。逆の立場になれば、日本を訪れる外国人観光客も同じことを思っているはずです。そんなミスマッチを解消することに尽力した二条城は、大きなPRをすることなく50年ぶりに来場者の記録を更新することに成功しました。その記事がコチラ
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二条城が「半世紀ぶりの集客」に成功したワケ
これは「生産性向上」のモデルケースだ
約50年ぶりに過去最高を達成した「二条城」
京都にある二条城(正式には元離宮二条城)は、ユネスコの世界遺産にも登録されている立派なお城です。二条城は京都市が所有、管理しています。
実は、この二条城、昨年2017(平成29)年度の入城者数が243万9079人と、過去最多を記録しました。前年度に比べると、53万4877人、28.1%増という大変大きな伸びです。2017年の訪日外国人客数は前年比19.3%増ですから、二条城の入城者数はインバウンドの伸び以上だったことがわかります。
これまで二条城の入城者数が最も多かったのは、今から50年近くも前の1970(昭和45)年。大阪で万国博覧会が開かれた年で、その時の入城者数は211万4754人でした。
この年をピークに二条城の入城者は漸減し、しばらく150万人前後で推移していたのですが、昨年度ついに過去最高だった年の記録を破り、大きな驚きをもたらしました。
大幅に増えた入城者数と呼応するように、 国庫補助や市債、基金繰入など特別なものを除く収入も飛躍的に伸びています。ほんの数年前、2012(平成24)年度の二条城の収入は9億200万円にとどまっていました。それが2014(平成26)年度に10億円を突破するやいなやグングンと伸び、2017(平成29)年度は14億4000万円に達すると見込まれています。この数字は、前年度比2億7000円、実に23.6%の増加です。
来年2019(平成31)年4月1日から、現在の御殿を含む600円の入城料が、二の丸御殿を別料金(400円)とし、実質1000円になることが京都市議会で議決されていますので、二条城の収入は今後さらに増えることが見込まれています。
「二条城復活」は周到に準備された必然だった
このような二条城の入城者数および収入の大幅な増加は、自然に起きたことではありません。これらの成功は、実は、周到に練られた戦略にのっとり実行された改革の結果なのです。
この改革は国の観光戦略の一環でもあります。国内でも秀逸な文化財を観光施設として再整備するテストケースとして、門川大作・京都市長の旗振りで実施されたものです。まず、「改革を実行するために有能なリーダーが必要だ」ということで、二条城事務所長に文化担当局長の北村信幸氏が就任されました。北村氏はヘリテージマネジャーとして世界的にも超一流の人物だと、私は思っています。
北村氏は幅広い分野から有識者を招いて「二条城の価値を活かし未来を創造する会」を開催。ビジネスパーソンを含めて、さまざまな観点から、特に活用と保存の両立のあり方について徹底的に議論されました。激論の後、2016(平成28)年9月16日に最終報告書がまとめあげられました。
二条城の観光施設としての魅力アップのために、まず取り組まれたのが、御殿などの整備でした。具体的には、2016(平成28)年10月から翌年3月までの間に、二の丸御殿内85カ所、屋外307カ所に新しい多言語による解説案内板が設置されました。
また、パンフレットも大幅に刷新されました。それまでも日本語のパンフレットのほか、英語・中国語(簡体字)・韓国語(ハングル文字)の3つの外国語が一冊に書かれたものがありましたが、内容的には決して褒められたものではありませんでした。
現在、二条城の入城者の6割以上が外国人です。彼らはもちろん日本人に比べて、日本の歴史や文化に関して深い知識を持っているわけではありません。このことを鑑みると、外国語パンフレットの拡充は急務でした。
そこでまず取り組んだのが、言語別パンフレットの作成です。これまで、外国人向けのパンフレットは一種類で、3つの言語で説明がされていたため、一つの言語で説明されている内容が少なくなってしまっていました。これを改めることにしたのです。
それに加えて、内容を一新するべく、歴史的背景の説明が充実されました。たとえば、あまり日本の歴史に詳しくない外国人観光客向けに、そもそも「将軍」とは何者なのかといった初歩的な説明を加えました。そのほか大政奉還や後水尾天皇の行幸など、二条城とはどういう歴史をたどってきたお城なのか、わかりやすく理解できるようにしたのです。また、お城にある各部屋の説明も、使われ方や壁画の題材の意味などが、より多面的な視野から理解できるように変更されました。
これは国の新しい方針にも沿ったものでした。単に日本語の解説を翻訳しただけでは、外国人には伝わりません。和文の参考資料をベースに、外国人が一から書き起こしたのです(これを「クリエーティブ・ライティング」と言います)。
2016(平成28)年12月1日に作られた日本語版を皮切りに、6種類の外国語版(英、繁、簡、ハングル、仏、西)が2017(平成29)年4月1日までに作られました。今年7月1日にはドイツ語も登場する予定なので、外国語版だけで7種類になります。
ほかにもさまざまな取り組みが行われた
北村氏の改革はただ単にパンフレットを作るだけにはとどまりませんでした。2017(平成29)年11月からは、日本語と英語による公式ガイドツアーを開始しました。いずれも90分で、二条城の魅力をより深く理解できる内容になっています。ちなみにお値段は、日本語のコースが1000円、英語は2000円です。
他にも、訪問者の利便性を高めるための対策も実施されました。二条城の城内はほとんど砂利が敷かれており歩きにくく、また、二の丸御殿には、ベビーカーやキャリーバッグが持ち込めません。そこで、従来からあったコインロッカーに加えて、2018年2月から入り口付近に手荷物預かり所を設置し、サービスを開始しました。ちなみに一個300円です。また、車いすにもやさしく歩きやすくするため、砂利道の改善も計画されています。
さらに、来城者が来やすいように昨年には開城時間も延長しました。通常は開城が8:45で17:00閉城なのですが、昨年は7~8月の2カ月は開城を7時に繰り上げ。今年は期間を延長して7月から9月まで開城時間を8時とし、さらに閉城時間を7~8月は19:00に延長することが決まっています。
また、「非公開の香雲亭で、綺麗な日本庭園を見ながら食べられる朝ごはん」として話題になった朝食サービスも始めました。これは通年のサービスではなく、去年は7月と8月のみの期間限定でした。京都の夏は、昼間は大変暑いのですが、朝は比較的涼しいという特徴を生かした企画です。
昨年は2カ月で2244食も売り上げ、予約が取れないほど大変な人気を博しました。好評を受け、今年は期間を7月から9月までに延長することが決まっています。6月から予約受付が開始され、多くの申込みが殺到していると聞いています。また、今年2月1日から3月2日までは、お昼に「早春の二の丸御膳」の提供も実施しました。
そのうえ、MICEのユニークベニューに開放したり、ウェディングやさまざまなレセプションやイベント(たとえば、サントリーとのコラボで京の伝統と食のイベント、松たか子さん出演の舞台公演、小澤征爾音楽塾など)に会場として使ってもらう計画も順次実現してきました。
財政逼迫でカネがないなら「自分で稼ぐ」しかない
このように二条城では、観光施設としての魅力度アップのためにさまざまな改革を実施してきました。その背景には、このような改革を実施してでも、入城者を増やし、何よりも収入を増やさなくてはいけなかったという事情があります。
日本にある文化財は、日本人すべての尊い財産であり、次の世代につなげていくべきものです。これら文化財の維持管理には当然ですが、おカネが大変かかります。今、日本は社会保障の負担がどんどん増え、いろいろな分野の予算が削られているという実態があります。文化財の維持管理に充てられる予算も潤沢にあるわけではないのです。
つまり、維持管理のための費用を、文化財自身が自ら稼ぎ出さなくてはいけない時代を迎えてしまっているのです。
こういう話をすると、「文化財とはそういう下世話なものではない」「文化財をビジネスに利用しようとするなんてとんでもない」などの反対意見や、批判の声をあげる人が必ず出てきます。実際、委員会でもそういう意見が出ることがありました。
しかしそういう人は、日本が直面している「予算の逼迫」という厳しい現実が理解できていないのです。過去の余裕があった時代が終わっていることがわからず、非現実的な理想論を振りかざしているだけだと思います。
文化財の魅力を高めて、増えた収入をその文化財そのものの保存のために利用する。これこそが文化財の魅力をアップさせ、稼げる施設にすることの目的です。
もちろん、実際におカネを負担するのは観光客です。だからこそ、観光客が納得しておカネを払うに値するだけの魅力付けや、相応の楽しみ方を提供する必要があるのです。
先ほども説明したように、二条城では歴史の勉強や、文化財の鑑賞だけではなく、京都ならではの食事の提供やイベントなどを開催し、より広い層に楽しんでもらえる仕組みを提供しています。そうすることにより、歴史や文化財にはそれほど興味のない人にも足を運んでもらったり、リピーターになってもらえるよう努めています。
別の目的で足を運んでくれた人にも歴史や文化財に触れる機会を提供し、多面的な体験をしていただくことによって、二条城を広く知ってもらう狙いがここには隠れています。
これは「生産性向上」のモデルケースだ
今回、二条城が実施した改革は画期的です。多くの観光地はPRやブランディング、またはホームページなどを通じた発信には熱心ですが、それだけしかしていないところも少なくありません。特に、整備を怠っていることが多いのです。
二条城は特にブランディングもしていないし、PRを強化したわけでもありません。やったのは二条城自体を観光客にとってより魅力的にするよう、整備し、磨き上げたカスタマーエクスペリエンスの改善です。二条城という存在に高い価値があるのは当然ですが、今回は別の価値を付加することで、付加価値をさらに高めたのです。
たしかにこのような整備は大変手間がかかります。正直言って、HPなどで情報発信するほうが楽です。しかし、今回ご紹介したように、手間をかけた甲斐あって、二条城では入城者数、収入とも飛躍的な伸びを見せました。大変な経済効果です。
二条城の成功事例は、観光客を増やすために、観光地がやるべき本質的なことは何なのか、その問いに対して答えを提示しているように感じます。
政府は2020年に訪日外国人数を4000万人、同消費額を8兆円にするという目標を掲げています。この数字の前提には、一人当たりの消費額を現在の16万円から20万円に引き上げることが含まれています。
二条城のように各地の観光施設で整備が進み付加価値が上がれば、こういった消費額の増加も不可能ではないでしょう。これこそ生産性の向上で、日本全体が取り組むべきテーマです。
一方、付加価値を高める整備がされなければ、政府が思い描いているように訪日客数が4000万人になったとしても、消費額は8兆円にならない可能性もあります。
以前から、「観光公害」という言葉を耳にすることがあります。交通渋滞やごみ問題もありますが、観光公害の本質は、観光客から十分な対価がもらえないことだと私は感じています。この対価向上を実現するには、やはり5つ星ホテルなどの建設のほか、観光地の付加価値・魅力度アップのための整備や磨き上げが不可欠でしょう。
最後に、今後の日本の観光について考えるにあたって、見逃せないニュースがあるのでお知らせしておきます。
実は、今国会で文化財保護法の改正が成立しました。この改正により、文化財行政を教育委員会から首長部局に移動させる選択肢が生まれました。つまり、「文化は教育」「修学旅行の延長」という古い考え方から、「文化を守るために活用するべき時代」「より自立し持続性のあるものに切り替えるべき」という流れに対応できる環境がようやく整ったのです。
二条城が、先駆者として文化財の正しいあり方の道を示した改革には、感動と感謝の念を禁じえません。
引用元:https://toyokeizai.net/articles/-/224317
あなたのお店のカスタマージャーニーは?
「カスタマージャーニー」とは、直訳すると「お客さんの旅」ですが、お客さんがあなたのお店・商品を知ってから、購入やリピートに至る過程を示すものです。
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まず何で知ったのか?口コミなのか、看板なのか、広告なのか。広告だとしたらいつ、どこに出した広告なのか。どんなメッセージに反応したのか
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商品は選びやすいか、購入の決め手は何か
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ポイントカード、次回割引き、予約受付、DM、また来たいと思える仕組みはあるか
超シンプルにまとめるとこんな感じです。あくまでも顧客目線に立って、典型的な顧客があなたのお店や商品の存在を知ってからリピートするまでの流れを、できれば図にすると分かりやすくなります。もしも、「知る」段階では10人なのに、「リピート」は1人しかいなかったら、どこかの段階で9人離脱していることになります。離脱しやすくなってしまっているのはどの段階なのか、どう改善すれば次のステップに進みやすいか、顧客目線で改善を重ねていくことになります。
あなた一人じゃムリですよ
二条城の場合、観光客と同じ外国人をメンバーに加えたことで、顧客目線での改善が進みました。あなたの場合も、ターゲット顧客と似た人か、顧客自身に協力をしてもらって「カスタマージャーニー」を作ることをお勧めします。
あなただけでなく、経営者は誰しも「顧客目線」になることは本当に難しい話です。それは男性であるあなたが「女性の気持ちになる」のが難しいのと一緒です。本当にやろうと思ったら、女性の服を着て、女性が行く所へ行き、女性の言葉で過ごさないといけません。
「ちょっと、もう、イヤーーーん」とか…
まぁ、難しいですよね。て、いうか恥ずかしいですよね(笑)それよりは、女性に聞いた方が早いです。
お客さんも同じです。どこで知りましたか?とか、どこと比べたんですか?とか、直接聞いた方が早いですね。その上で、離脱することなくスルスルっとリピートまでつながるように商売の仕組みを設計してください。
さぁて、まずは誰に聞きますか?
「マーケティング脳」になりたいなら
ポチッとな!
アクシュ( ´ー`)⊃⊂(´ー` )アクシュ
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