マーケティングの話

【その手があったか】高級レストランの「ついで売り」商法

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こんにちは、きくちはらです。

このブログは、数字の苦手な経営者さんに話題のニュースを基に、会計的視点、マーケティング的視点、マネジメント的視点などから、あなたのビジネスのヒントになる情報をお届けしています。

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お客さんの立場で考えよう

あなたはお客さんとして訪れたお店で、商品以外のモノを「あ、これ欲しいな」と思ったことはないですか?僕は子供のころ、よく行くレストランのアイスクリームが好きでした。時には一人でアイスクリームだけを食べに行ったこともあります。ある時、「これ、家の冷蔵庫にあれば便利なのになぁ」とひらめきました。そして親に頼んで、業務用サイズを売ってくれるようお店の人にお願いしてもらいました。お店の店主とはもう顔なじみだったので、二つ返事で売ってくれました。お店側とすれば、利幅は減るけど「まとめ売り」ができるし、毎回アイスをすくって盛り付けする手間は減ります。業者から仕入れたものを、右から左に流すだけでマージンが入ってくるので、デメリットはありません。

きっとあなたも、お客さんとしていった店で、メニューには載っていないものを欲しいと思ったことがあるでしょう。吉野家ではドンブリをキャンペーンの景品にしていますし、カレーのココイチでもスプーンを景品にしています。ということは、それ目当てでキャンペーンに応募する人がいるわけで、もし販売したら「買いたい」という人がいるのです。

店内のものを何でも売るレストラン

「これは売り物じゃないから」といって売らないお店がほとんどかもしれませんが、「売っちゃいけない」ということもないはずです。現に、アメリカ・ニューヨークでは店内のあらゆるものを販売するレストランがあります。

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高級レストラン、現金確保へなりふり構わず-店内であらゆる商品販売

米ニューヨークのダウンタウンにあるカフェ「ラ・メルスリー」は今年に入って、レストランによる商品販売の既成概念を壊した。ロゴ入りTシャツなどをレジに陳列して販売する大衆チェーン店に対して、高級レストランは料理本を出版するなど、より洗練された商品販売を行っている。

しかし、ラ・メルスリーは、ウォッシュドリネンのナプキン(4枚105ドル=約1万1200円)やビンテージグラス(98ドル)など、あらゆる商品を店内で販売する。食事スペース前の商品販売スペースには、皿や銀製食器、ベルベットのソファ、ダイニングテーブルなどが所狭しと並ぶ。

「ラ・メルスリー」ではあらゆる物に値札が付いている

出典:ラ・メルスリー

レストランで商品販売が重要な役割を果たすラ・メルスリーのビジネスモデルは珍しくない。商品販売スペースを併設するレストラン「EATALY(イータリー)」も拡大を続けている。

このトレンドを後押ししているのが経済的事情だ。レストランは新たな収入源を探しており、パック入りの生パスタであれ陶器の皿であれ商品が売れれば、利益の補てんやブランドの拡大、客足の増加に寄与する。

アトランタの「ガーデン&ガン・クラブ」ではエビフライだけでなく、サービングボードも購入可能

写真家:Amy Sinclair

アトランタでオープンしたばかりのレストラン「ガーデン&ガン・クラブ」は、サービングボードなどの商品が入った小型の専用ギフトケースを提供している。

ガーデン&ガン・マガジンのレベッカ・ダーウィン最高経営責任者(CEO)は「商品販売がガーデン&ガン・クラブの総売上高の約4%を占め、ブランド認知度や消費者のオンラインショップへのアクセスが高まることを期待している」と述べた。

ヒューストンの「ポンディチェリ」はレストラン業の未来が商品販売にあると予想

写真家:Kirby Trapolino

ヒューストンに本店、ニューヨークに支店があるインドカフェ「ポンディチェリ」が7年前にオープンした時、販売していた商品は2点だけだった。現在は、最も売れ筋のスパイスに加え、食材キットやピクルスなど70点余りの商品を提供している。

オーナーシェフのアニータ・ジェイシンガニ氏は「レストラン業界は厳しい。若い顧客は自分で調理したいので、商品販売というオプションは彼らのニーズに応じたものだ」と説明。今や商品販売スペースはレストランの2階を占め、ヒューストン店の年間売上高に占める割合は約9%に上る。

ジェイシンガニ氏は「十分大きな数字だったため、商品販売スペースを倍増した」と指摘。「このビジネスは拡大する一方だ」と述べた。

引用元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-18/P8WSXN6JIJUO01

「ついで売り」できるものはないか?

飲食店の場合、席数に限りがあるため食事の提供だけでは売上に上限ができてしまう。それ以上に売上を作ろうと思ったら多店舗展開するしかない。しかし、店舗を増やすことは一方でリスクでもある。多額の出店資金を調達し、敷金礼金を払い店舗を確保し、毎月家賃を払い、人を雇い、広告宣伝をして、食材を仕入れる。そこまで出資してリスクを冒しても、成功する保証はどこにもない。

ならば、リスクを冒す前に物販で売上を増やすことを考えた方がいい。それも、「ついで売り」ができるもの。飲食に「廃棄ロス」というリスクがあるように、物販にも「売れ残り」というリスクがある。したがって、売れることを見込んで商品を仕入れるのは危険なのだ。それよりは普段から使っていて「予備」があるようなものの方がリスクが少ない。それが食器類だったり、レシピ付きのオリジナル食材と言うわけだ。これならどのみちお店で使うわけだし、売れなくてもリスクはない。

「ついで売り」の手法は、何も飲食店に限った話ではない。店内にあるあらゆるものが販売の対象になるのだから。あなたも一度くらいは「それ売ってくれないかしら?」と言われた経験がないだろうか?その時は「これは売り物じゃないんで…」などと言わず、「はい、これも販売してますよ」と言ってみよう。そういう視点になれば、店内で使うものにも気を使うようになるだろうし(間違っても100円ショップで調達したものは使えないでしょ(笑))、もしかしたら、そこから思わぬヒット商品が生まれるかもしれないよね。

 

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