経営数字の話

ZARAの下請けだったトルコ企業が倒産。従業員が給与未払いを訴えて取った「奇策」 とは?

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トルコには欧米のアパレルブランドを支える下請け企業が多く存在している。その中の一社である、従業員140名を雇用してイスタンブールに所在していた下請け企業「Bravo Tekstil」が昨年7月に倒産した。経営者が経済的問題を抱えていたようで、突如行方をくらましたのである。企業の倒産ということだけを見れば、この出来事は別に目立って注目を集めるほどのものではない。 ところが、この企業の従業員はそれまで3か月分の給与を受け取っていないということと、同社の70%の製品はこれまでスペインのアパレル企業ZARAに納品されていたということから、彼らに支給されていない給与の支払いをZARAに要求したのである。

◆商品タグに賃金未払いの訴えを添えて納品

そして、ZARAからの好意的な回答が得られないのを見て、彼らはあるアイディアを思いついて実行に移したのである。そのアイディアとはZARAのタグに次のメッセージを添えて小売店に納品することを開始したのである。

<「私はこのアイテムを生産した。これを買う人に告げる。私はまだ報酬を貰っていない。お願いです、ZARAに我々に給与を払うように言ってください」> これをソーシャルネットに載せた途端に、彼らの訴えに共鳴して既に29万8000人の署名が集まったという(12月13日現在)。彼らの目標は30万人から署名を集めることだというが、本記事が配信されるときにはすでに到達していそうだ。(参照:「Change.org」)

ハーバービジネスオンライン: 「Change.org」のキャンペーン紹介より

© HARBOR BUSINESS Online 提供 「Change.org」のキャンペーン紹介より

 

◆ブラック企業だったBravo Tekstil

ZARA以外に、スペインのMANGOや英国のNEXTのブランド製品も生産していたBravo Tekstilの工場は、労働環境も劣悪だった。24時間操業で3交代制が敷かれていたというが、14時間勤務する場合もあったそうだ。にもかかわらず、従業員の3分の1の給与は1,700リラ(51,000円)で、最低賃金を幾分か上回る程度の給料だったという。ただ、「上級社員」はその2.2倍程度の給与を受け取っていた。(参照:「El Confidencial」)

例えば、ジーンズのトレンドであるダメージ加工の際に施されるサンドブラスト(砂吹き)加工は、実は深刻な肺疾患の原因になるため、禁止されている国もある。しかし、Bravo Tekstilの従業員だったベゴ・デミールは<7年間の勤務中にTommy Hilfigerブランドのサンドブラストのジーンズの生産を担当していて片肺を既に無くし、もう一つの肺は珪肺(※結晶シリカ(ケイ酸)粉塵を吸入することで生じる職業性肺疾患)を患っている>そうだ。

彼女の友達の中で103名は既に亡くなっているという。ZARAに賠償請求を訴えようとしても、ZARAが直接雇用した労働者ではないということで、その請求権利はないとされた。ならば、その下請け企業にその賠償を請求すべきであるが、その企業は既に存在しない。 唯一、彼女にとって救いになっているのは、少なくともサンドブラスト・ジーンズの生産がトルコでも禁止されたことくらいしかない。

また、別の従業員、アゼム・アトゥマカは生産機械の操作担当で4年前からこの会社に勤務していた。最近は給与の支払いが遅延していたり、半分の給与しか支給されなかったりしていたそうだ。しかし、職を失った現在、<二つの銀行ローン25,000リラ(75万円)の支払いが出来なくなっている>という。<孫を連れて歩道を歩く時も途中で反対側の歩道に移っている>という。<「何故なら、孫に店でチョコレートを買ってやりたいが、お金がないからだ」>と取材に答えた。

従業員二人の例を挙げたが、給与の滞納で従業員の誰もが大なり小なり被害を受けている。(参照:「El Confidencial」)

「ファストファッション」というものが、このような労働者の犠牲の元に成り立っていることは知っておくべきだろう。

◆ZARAの大元は救済基金の創設を検討

ZARAを傘下に収めるINDITEXは、Bravo Tekstilに雇用されていた従業員はBravo Tekstilとの契約であり、ZARAは飽くまで企業のBravo Tekstilと契約していたに過ぎないということで、そこで雇用されていた従業員に関連しての問題はZARAの管轄対応には含まれないとしている。また、ZARAはそこで働いていた労働者が最後の3か月分の給与を受け取っていなかったというのは当初知らされていなかったと述べているという。

ただ、ZARAは従業員の事情を鑑みて、ALL INDUSTRIAL UNIONとMANGOそしてNEXTとも協力して救済基金の創設を検討しているそうだ。この基金を活用して、支給されていない給与を補填することや、賠償などに適用できるとした。(参照:「Equal Times」)

トルコ経済において、繊維部門は重要な位置を占めている。トルコは繊維製品の輸出規模では世界で5位に位置している。今年上半期の繊維製品の輸出の70%はEU向けであった。2023年のトルコ建国100周年には繊維製品の輸出は800億ドル(9兆6000億円)にまで伸びる事を見込んでいるそうだ。(参照:「Equal Times」)

ヨーロッパのアパレル企業にとって、トルコは地理的に近い距離にあることから、アジアで生産するよりも納期などの面でメリットがあるとされている。しかも、労働者の質も良い。これがトルコの存在が重要な位置づけをされている要因である。

<文/白石和幸>

しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。

引用元:http://www.msn.com/ja-jp/money/news/zara%e3%81%ae%e4%b8%8b%e8%ab%8b%e3%81%91%e3%81%a0%e3%81%a3%e3%81%9f%e3%83%88%e3%83%ab%e3%82%b3%e4%bc%81%e6%a5%ad%e3%81%8c%e5%80%92%e7%94%a3%e3%80%82%e5%be%93%e6%a5%ad%e5%93%a1%e3%81%8c%e7%b5%a6%e4%b8%8e%e6%9c%aa%e6%89%95%e3%81%84%e3%82%92%e8%a8%b4%e3%81%88%e3%81%a6%e5%8f%96%e3%81%a3%e3%81%9f%e3%80%8c%e5%a5%87%e7%ad%96%e3%80%8d/ar-BBGKXnQ?li=AA4Zju&ocid=ientp2#page=2

 

 

 

こんにちは、きくちはらです

このBravo Tekstilの

従業員がとった行動について

議論は分かれると思うけど

一方で、発注元のZARAの社長

といえばご存じこんな方

 

 

 

ZARA創業者、世界長者番付で「一時的に」ビル・ゲイツを上回って世界一の富豪に

2015年10月24日 16時34分 JST

A CORUNA, GALICIA – JULY 27: Amancio Ortega, owner of Zara empire, attend CSI Casas Novas Horse Jumping Competition 2013 near Arteixo on July 27, 2013 in A Coruna, Spain. (Photo by Xurxo Lobato/Getty Images)

スペインの世界的アパレルメーカー「ZARA」の創業者アマンシオ・オルテガ氏が、世界富豪番付でビル・ゲイツを一時的に上回った(10月23日のフォーブス誌、世界の億万長者リアルタイム番付による)。

世界一の富豪になったときのオルテガの純資産は790億ドル(約9兆6000億円)で、1日で24億ドル増加した。東部時間の午前10時頃、彼は順位を1つ下げて再び2位となった。

マイクロソフト創設者ビル・ゲイツ氏は、3月に発表された2015年版フォーブス世界長者番付で世界一となった。オルテガ氏はその番付では4位だった。

フォーブスによると、このランキングでオルテガ氏がゲイツ氏を上回ったのは初めてのケースだったという。

現在79歳のオルテガ氏はスペインのラコリュニャ在住。彼は鉄道会社に勤める父を持ち、1975年に衣料小売ブランドのZARAを共同設立した。オルテガ所有の企業Inditexは、他にも著名な小売ブランドを複数傘下所有している。

引用元:http://www.huffingtonpost.jp/2015/10/24/richest-person_n_8375794.html

 

 

 

何が言いたいかっていうと

別にZARAを批判してるわけじゃないよ

むしろBravo Tekstil社に

問題があると思ってる

あなたはどうだろうか?

 

 

 

そして、残念ながら

「これが現実」

なんだよね

 

 

 

先日も価格競争で事業拡大した

企業が倒産した記事を紹介したけど

倒産企業に見る「価格競争の末路」あなたの今後の戦略は?

 

 

流れはこうだ

消費者

安くておしゃれな服がほしい

ZARA

わしが作っちゃる!

○○ユーロで作れる人いない?

Bravo Tekstil

ハイハイハ~イ、ウチやります!

Bravo Tekstil社員

エエッ、社長むりでっせ!

背に腹は代えられん

少々きつくてもやるんやで!

ええな!

病気になる社員

あげく会社倒産!

泣きのメッセージタグ貼り付け

 

 

 

この流れの中で

あなたは何が間違ってたと思う?

やっぱりZARA?

でもZARAはそこにあった

消費者のニーズをつかんで

それを実現してみせた

だから成功した

 

 

 

僕が物申したいのは2か所

①消費者よ、安物を求めるな!

適正価格で買ってくれ

必要以上に安さを求めた結果

命まで犠牲にするはめになった

過去の事例から学んでくれ!

②社長、安い仕事を引き受けるな!

いくら相手が大手でも

小さい会社が価格競争市場に

首を突っ込むと、ろくなこにならない

むしろどうやったら高く売れるか

そこへエネルギーを注げ!

 

 

あなたがもし

「商売人なら、良いものをより安く!」

と思っているなら、それは幻想だ

なぜなら「薄利多売」の「多売」は

僕たち中小企業にはできないからだ

あなたの商品が

毎日、世界中で飛ぶように売れてる

なら別だけど、そうじゃないよね?

 

 

 

というわけで、あなたがとるべき戦略は

十分な利益が取れる適正価格で売ること

もっと言えば、利益が最大化する位

めいっぱい高く売ることだ!

 

 

 

こんな事を言うと

「きくちはらは、銭ゲバだ!」

と思うかもしれないが

そうではない

 

 

 

高くても売れるということは

高くても買いたいって人がいるわけで

それだけあなたの商品に価値がある

ってことなんだよね

それとも

あなたの商品は割引しなきゃ

いけないほど価値がないのか?

そんなことはないはずだ

 

 

 

じゃったら、あなたの商品の

価値にふさわしい値段で買ってもらう

今日からあなたのモットーを

「良いものをより高く!」

に変えていただきたい

 

高く買ってもらう方法が知りたければ

ポチッとな!

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